アポロ13
テレ東でやっていた「アポロ13」、久々にみて涙腺ゆるみました。
この歳になってもいまだに宇宙モノに弱く、「アポロ13」「王立宇宙軍」「2001年宇宙の旅」「ライトスタッフ」「スペースカウボーイ」などなど、見るたんびにウルウルきてしまう自分がいます。
コックピットの窓を傷つけて目盛りつくって、シップの姿勢角はかるとか
ファミコンより貧弱なコンピュータで誘導制御して、計算ずれまくり!軌道計算を手尺で!とか
マニュアルでメインエンジン噴射、3秒間きっかし
みたいな。ロマン溢れる時代だったんだなあ…。
ひきかえ、キューブリック先生が素晴らしい映像美で描いてみせてくれたバラ色の宇宙開発の姿はいまやかけらもなく、2001年をとっくにすぎたのに火星どころか月面基地もまともな宇宙ステーションも夢のままです。
そもそも「2001年宇宙の旅」中の宇宙開発の姿は、なにもキューブリックだけの創作ではなく、フォン・ブラウンが50年代から提唱していたものです。
宇宙ステーション・地球間の連絡は再利用可能な宇宙往復船、宇宙ステーションと月面基地との間もシャトルで連絡し、月面基地を足がかりとして火星・木星圏を目指す壮大な計画だったはず。それがソ連との宇宙開発競争の中でゆがめられ、霧消し、後にスペースシャトルという非常に中途半端な形で計画が浮上してきました。
(スペースシャトルについては、燃料タンク・固体ブースターの使い捨て、オービターのメインブースターの負荷、船体のシールド、それに付随する安全性の問題、ソユーズ等とは比べ物にならない高コストなどなど、二兎を追うものは一兎をも得ず的な批判があります)
こんな歪みの大きな要因のひとつが、ソ連との宇宙開発競争に焦るケネディとアポロ計画だったわけで、その中でもフォン・ブラウンはサターンロケットの開発で最大の功労者となり、アポロの月面着陸はいまだ語り継がれる宇宙開発の金字塔となっています…なんたる皮肉。
「ソ連に勝ちゃいいんだからとにかく月着陸して生きて帰ってこよう」
月面着陸はそれで大変素晴らしいと思いますが、この投機的発想によって来るべき宇宙の未来が失われたのであります。
実際フォン・ブラウンは思想の違いでNASA辞めてるし。
大戦中ナチスドイツ下で、V2の打ち上げに際し、若きフォン・ブラウンとチームは
「今日は宇宙船の誕生した日だ」
との言葉を残したそうです。
国家の利害と人類の夢。一致しそうで永遠にすりあわなそうな二物を象徴するような言葉じゃありませんか。
なんてこと考えてるヒマがあったら勉強しろっての。→オレ