シュバンクマイエルの新作を見てきました。
ヤン先生の新作を遅まきながら見てきました。
前作「オテサーネク」からはや5年…しみじみ。70歳をこえてもなお定期的に発信し続ける姿はニュータイプ系のどこぞの漫画家も見習ってほしいもんです。
新作はチェコ語だと「Šilení」、日本だと「Lunacy」の名で公開してます。なにやら今作はアカデミー賞の外国映画部門にエントリーしちゃってるらしく、ヤン先生にはいつまでもサブカルでいてもらいたいファンとしては複雑な気持ちなんですが。。。
以下ネタバレ注意(いまから見に行く人もいないと思うけど…)
そんな複雑な気持ちをふっとばしてくれるはっちゃけぶりでした。
冒頭はヤン先生の映画講釈。
この映画はあくまでも「ホラー映画」らしいです。
「マルキ・ド・サド」と「エドガー・アラン・ポー」に啓発されてるらしいです。
舞台は「精神病院」だそうです…。
今まで作品ごとにちりばめられてたモチーフが今回はミックス&パワーアップ。
のっけからキリスト像に五寸釘を打ち込み「美徳の不幸」ばりに無神論を語りだす。
残念だったのが、アニメーションかな。監督は「私はアニメーション作家ではなくシュルレアリスム作家だ」と言っているようにアニメーションが主眼じゃないのはわかってるんですが、やっぱりファンとしては、コマ撮りキターッ!てなかんじで待望しているわけで。今作でも3分に一回くらい肉片が踊ってますが、もうちょっと効果的にコマ撮りをつかってほしかった(そんなわけでマイベストは「悦楽共犯者」のチャイ4)。
とはいえ作品のあちこちに暗喩や伏線がちりばめられてて(侯爵の馬車から見える風景とか、冒頭の体罰カードとか)この作品のテーマはとてもひとことでは言えないんですが、「正気と狂気」とか「自由と拘束」とか色々グルグル考えさせられました。
まあでも、まかりまちがっても今作がアカデミー賞で表舞台にたつことはないでしょう(爆)
新宿のK'sシネマで見たんですが、新宿にこんなかんじのいいミニシアターができたというのは軽くショックでした。映画観終わったあとは、初挑戦のカフェユイットに。靖国通り沿い、トップスの最上階にあります。暖色系の店内にカメラやらピアノやら本やらおもちゃやら小物がびっしりな、いいかんじの店でした。天井がガラス張り吹き抜けになっていて、お昼下がりにきたら日差しが気持ちよさそうな。
新宿もこんなオサレスポットがじょじょに増えてきて様変わり…長生きはするもんです。