レニングラード・カウボーイズ

とんがりリーゼント。



アキ・カウリスマキは好きな監督の一人だけど、この映画だけは手が出せなかった…。
なんでかというと。


ビデオのジャケットがすごく怪しい。(写真)


ツンドラ地帯の集団農場で民俗音楽を演奏する、異様に長いリーゼントと異様にとがった靴を履いたレニングラードカウボーイズ。彼らの村じゃこれデフォルト。(一族の赤ちゃんも当然リーゼント。)
一旗あげようとマネージャーがメンバーを引き連れてアメリカに。ツンドラ野外リハーサル中に凍死した仲間の棺おけをかついでいざ出発!(旅行資金はマネージャーのポケットへ。)
ところが演奏するのがロシア民謡じゃあ、どこ行ったってウケるわけがない。時代はロックンロールだってよ、というマネージャーの激を受けてまじめにロックをお勉強。(アコーディオンとチューバが素敵なミスマッチ。)夜はさびれた店をドサまわり。(メンバーはタマネギをかじって餓えをしのぎ、マネージャーは隠れて冷たいビールを飲む。)
そして横暴マネージャーの言うがままにメンバーはメキシコへと演奏旅行を続けさせられるロードムービー


こいつらの服装のせいか、シュールな画のせいなのか、舞台がアメリカとメキシコでも、体感温度フィンランドそのもの。っていうか本当にフィンランドで撮影したんじゃないの…。


極悪マネージャーの役は、カウリスマキ作品の常連さん、マッティ・ペロンパーが演じています。怪しいヒゲが役どころにハマりまくってます。


ちなみに、マッティ・ペロンパー、僕が大好きな映画「ナイト・オン・ザ・プラネット」のヘルシンキ編でタクシー運転手役をやっています。失業して奥さんに逃げられ、ヤケ酒くらった酔っ払いの客に、ペロンパーは自分の娘の不幸を淡々と話して聞かせます。ラストを飾るいいシーンなんだ、これ。


でも「レニングラードカウボーイズ」見ちゃうと。
極悪マネージャーとのあまりもの落差に笑けてきちゃう…。